来春に開学を控える「東京国際工科専門職大学」、最近Twitterでプロモーションが打たれているので、その名前を見たことがある方も多いのではないでしょうか。
今回はこの新しい専門職大学に設立される予定の「工科学部情報工学科 AI戦略コース」について、現役のAI研究を行っているブログ管理人が「期待できそうなこと」について語っていきます。
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学士が取得できる専門職大学
東京国際工科専門職大学の魅力の一つは、何と言っても「学士(専門職)」が取得できる点です。
つまり、普通の四年制の大学を卒業した際に取得できる「学士」という学位を取得することができます。
あの超有名な専門学校、東京モード学園と同じ建物で開学する東京国際工科専門職大学は専門学校ではないため、四年間通う必要があります。
しかし学ぶ内容は四年制大学よりも専門学校的ということができ、仕事の最前線で戦える「より実践的な内容」を学ぶことができると考えられます。
実際に文部科学省による規定では、産業界と連携した教育を目指した学校として設定されており、卒業要件である単位数のうち3~4割程度を実習などの科目で補うことが義務付けられています。
つまり、普通の大学とは異なりインターンなどの実習経験を積みながら単位を取得できる制度であると考えられます。
ディープラーニングなどのAIの知識を学べる
十年ほど前にディープラーニングが様々な分野で成功して以来、AIブームは収まることを知りません。
今後もAI知識を持ったエンジニアは企業から熱望される人材となるでしょう。
そんな中で、AIの代名詞ともいえるディープラーニングや、その基礎となる機械学習の基礎知識を四年間かけてじっくりと学べることは、とても魅力的と言えます。
ただ単に基礎知識を付けるだけではなく、実際にディープラーニングをどのようにプログラムとして書くか、そのためにはどのようなツールがあるか、といった点にも重点が置かれると考えられます。
たとえばPyTorchやTensorFlowといったツールは、ディープラーニングを用いて何かをするうえで必須のフレームワークと言えます。
これらの使い方を、実際に使ってる人から丁寧に教えてもらえるというのは貴重な機会になるはずです。
インターンシップは全員必修
上述した通り、インターンシップで単位を取得できる仕組みが作られていると考えられます。
さらに東京国際工科専門職大学では学生全員にインターンシップを必修科目として設定しています。
机に座って講義をきくだけではなく、実際の職場に出向いて「どのような人材が求められているのか、どのような知識が必要となるのか」を自分の目で見ることができるインターンシップは、学生の大きな糧となるでしょう。
また、全員必修であるため「自分一人だと精神的にインターンをあきらめてしまうかもしれない」という人であっても、強制的にインターンという素敵な機会に出向くことになります。
インターンシップは就職の0次面接ともいわれており、インターンに行った職場には圧倒的に就職しやすいことも事実です。
東京国際工科専門職大学の講師には有名企業で働くバリバリのエンジニアなどが呼ばれると予想され、そのコネクションを使ったインターンシップ先も、非常に豪華になると予想されます。
学士を取得できる学校でありながら、専門学校ならではのコネクションを利用できることは、非常に魅力的と言えます。
HALグループならではの豪華な学習環境
東京国際工科専門職大学は、モード学園やHALと同じグループであるため、学習環境も非常に豪華になると考えられます。
AI分野の学習のためには、様々な高額機器やスペックの高いパソコンが必要になります。
例えば映像から物体を検出するAIについて勉強するためには、AIの知識だけではなく、実際にプログラムを書いて実行するためのハイスペックパソコンや、良質な映像をキャプチャするためのカメラ、モーションキャプチャのための機器が必要となります。
これらを個人でそろえようとすると、軽く数百万円が必要となってしまいます。
東京国際工科専門職大学のAI戦略コースでは、様々なAI分野の機材に触れることができると考えられます。
映像や音楽、自然言語などを処理するAIを勉強するために必要な様々な機器がそろっている環境はなかなかありません。
いろいろな分野のAIを「つまみ食い」することができる学習環境が整えられると期待されます。
また、モード学園とHALがそうであったように、同じ建物内で東京国際工科専門職大学の学生とモード学園の学生が触れ合うこともできるはずです。
服飾など、AIと相性のよさそうな分野を専門として勉強している学生とコミュニケーションをとることで「世界に一人しかいない価値観を持った人材」に成長することができるでしょう。
「使える英語」を身に着ける
東京国際工科専門職大学のAI戦略コースでは、その学びのポイントとして「使える英語」を身に着けることを挙げています。
実際にAI分野の勉強をするためには、英語が切っても切り離せないものとなります。
AIは日々研究が進んでおり、最先端の研究を追いかけるためには、常に英語で書かれた論文やブログ記事などを追う必要があります。
また、エンジニアとしてプログラミングを仕事にする場合でも、プログラミング言語の仕様が英語でしか書かれていないことが非常に多くあります。
エラーメッセージを検索すると、英語のプログラミングSNSである「StackOverflow」に行きつくことは日常的なことです。
そのため、仕事で、日常で、強みとして「使える英語」を身に着けることが、東京国際工科専門職大学での四年間のある意味最大の目標になると言えます。
東京国際工科専門職大学では海外実習制度も設けているため、実際に海外で英語を使いながら実習をしてみたいという気合の入った学生にとってもうれしい内容となっています。
入試は難しい?
2020年度の入試要項(pdf)によると、AI戦略コースが含まれる工科学部情報工学科の募集人数は120人となっています。
入試区分ごとで見ると、AO入試が72名、推薦入試が12名、一般入試が36名となっており、圧倒的にAO入試の割合が大きいことが分かります。
自分のやりたいことや、将来のキャリアプランなどがはっきりしているのであれば、それを具体的に話すことで入試をパスすることは難しくはないでしょう。
一方で、昨今のAIブームでこのAI戦略コースがある情報工学科の倍率が高くなるのではないかという懸念もあります。
高校生のうちからプログラミングなどを身に着けることで、より専門的な人材に早めから意識して「なる」ことが重要かもしれません。
もじとばコムでは、AIや機械学習、ディープラーニングでよく用いられているpythonというプログラミング言語について、様々な記事を掲載しています。
以下の記事ではpythonの入門書を比較しています。
これからプログラミングを勉強したいという意欲のある高校生は、ぜひ一度チェックしてみることをお勧めします。